ソフトフォーカスのヴィクトリア女王
英国の古い小青銅貨ファージング(farthing = 1/4 penny)のカフリンクス。英国プリメット社の製品。シンプルなので、使い方はいろいろ考えられます。今回はアンティーク・コインに焦点をあわせて、彩度低めのシブイ感じのコーディネートにしてみました。
プリメットのカフリンクスはシンプルで抑制の利いたデザインのものが多く、じつに英国らしいブランドです。どちらかと言えば裏方であるメーカーの自社ブランド品なので、世界的にも広くは流通していません。日本でも販売しているのは伊勢丹さんくらいでしょう。
「ファージング」について調べてみると、このヴィクトリア女王のデザインのコインは、銅貨の時代(1895-1897)と青銅貨(1897-1901)の時代があるようです。カフリンクスに使われているのは比較的新しい時代の青銅貨であることが直径から判別できました。それでも100年以上前の貨幣なんですね。
せっかくのアンティークの青銅貨にメッキをかけるなんて…という考え方もあるとは思いますが、たぶん劣化した青銅のままでは製品としてのクオリティが出せなかったのでしょう。
ロジウムのメッキが施されたヴィクトリア女王のレリーフは、いい感じにソフトフォーカスがかかったような仕上りで、「女王陛下の威厳」は影を潜めて、「ふくよかな女性の魅力」が漂うお姿になっています。
GenRock店長でした。