固定足
固定足のカフリンクス。留め具としての機能上の可動部がない。
スナップ式を除く、一般的なカフリンクスは構造上、大きく3つの部分から成る。
- フェイス(face)
- 装着完了時に体の外側に向く、より装飾的な端。
- バック(back)
- 装着過程においてボタンホールを通り、装着完了時に体の内側に向く、留め具としての機能を担う端。
- ポスト(post)
- フェイスとバックとの間にある柱状の部分。古典的なカフリンクスにおいては、チェーン(chain)である。
プレーンな板状のバックは、装着時に容易にボタンホールを通り、装着後は引っ張っても抜けにくい。可動部がないために古いものでも故障が少なく、実用性が高い。
バックにも装飾が施されたリバーシブル(reversible)と呼ばれるタイプのカフリンクス。
写真のものは、明らかにフェイスのボリュームが勝っているため、フェイスとバックとを入れ替えて使用することが難しいことは明らかである。しかし、両端のボリュームが同等である場合でも、実際には双方をフェイスとして使うことにはデザイン的に無理のある場合が多い。
また、バックのボリュームがありすぎると、ボタンホールが小さい場合やしっかり糊づけされた固いカフスには通らないことがあるので注意が必要。
1粒で2度オイシイ、というようなウマい話はそうそうありはしない、という実例。
球状のバックをもつボールリターン(ball return)と呼ばれるタイプのカフリンクス。
写真のものは、球体に経緯線の筋彫りが施されており、装飾性をもつバックなので、リバーシブルの定義にも該当する。
ボールリターンのバックはその形状のために、着脱時ともに、容易にボタンホールを通り抜けることができる。しかし、ボタンホールが小さい場合やしっかり糊づけされた固いカフスには通しにくい場合がある。
以上、GenRock店長でした。