まだ夏物。もう秋物。

$カフリンクスの日々〜実践!カフスのつけ方・使い方-Babette-Wassermanバベット・ワッサーマン
少し秋を意識した色づかい。やや濃いブラウンのカフリンクス(バベット・ワッサーマン)。茶と青のストライプのシャツ、そしてそれらを混ぜたような微妙な色合いの海老茶のネクタイ。外はまだ少し暑いので、鹿の子メッシュでストレッチの利いた一枚仕立ての黒ジャケットを羽織りました。

ファッションを売りにするお店では既に男性スタッフは秋冬モノに衣更えになっていますね。…とても暑そうです。

曲がりになりにもファッション業界に身をおいている私が言うのも変ですけど、春夏とか秋冬とか1年を2シーズンで区切るのはファッション業界のビジネス上の慣習によるもので、あくまで便宜的な区分。実生活のうえではムリがあります。特にクラシカルなメンズファッションの分野ではもっとゆるやかに、天気などに応じてスムーズに変化させていける余地があると思うのです。

少なくとも日本の四季には、もう少し中間的な領域がたっぷりあるわけなので、これを無視して春夏と秋冬とに二分しようという考え方は、ちょっとモッタイナイです。春には春らしさを、秋には秋らしさを表現する術があるはずですし、そうしたものは何年もの時間をかけて蓄積されていくお客様の「資産」だと思うのです。シーズンごとに自らの過去の製品を陳腐化させて、消費へと駆り立てようとする戦略は果たして正しいのでしょうか?

前にも書きましたけれど、カフリンクスのデザインは古くならないものだと思います。長いあいだご愛用いただき、少しずつコーディネイトのバリエーションが増えていく…という楽しみ方こそがむしろメンズファッションの醍醐味なのではないでしょうか。この部分を伝えきれないでいると、結局、服飾文化なんて根付くことはないでしょう。

私がこのブログで自ら身につけているカフリンクスは、最新の商品でもなければ、自社の取扱品でさえないものもあります。ネクタイやジャケットやシャツなどは言うに及ばず。何年も着ているものがたくさんあります。これが現実です。

GenRock店長でした。